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求められる軽量化

私達はプラスチックのない日常生活をもはや想像することができません。自動車や自宅においても、余暇を過ごす際も、プラスチックは常に身の回りにあります。ランクセスの高性能プラスチック「デュレタン®(Durethan®)」と「ポカン®(Pocan®)」、そしてコンポジットシート「テペックス®(TEPEX®)」も製品の寿命を延ばすために様々な業界に貢献しています。

ランクセスが高所におけるスポーツを支える

勇気、鍛えた体、スタミナ – これらの能力が、2015年7月に実施されたアルペンクロスイベントに参加した選手たちに求められました。このイベントでは、参加者はアルプスを、オーストリアのザルツブルグからモナコまで(総距離1,038キロメートル)徒歩とパラグライダーで横断しました。参加者の1人、Paul Guschlbauer(オーストリア人のエクストリームスポーツ選手)は、この桁外れの競技において、3位でゴールインしました。彼のパラグライダーの部品は、ランクセスグループ傘下のボンドラミネーツ社のコンポジットシート「テペックス ダイナライト」でつくられています。
高性能プラスチックをベースにした、連続ロービングのガラス繊維で強化された高性能コンポジットシートは、Skywalk GmbH & Co. KG社のRANGE X-ALPSパラグライダーのリクライニングハーネスに使用されています。ハーネスのベースプレートは、たった1cmの厚さのサンドイッチコンポジットでつくられており、このコンポジットは、わずか0.5mmの厚さの複数の「テペックス」カバー層とEconCore N.V.社がつくるポリプロピレンのハニカムコアで成り立っているのです。

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ハーネスのベースプレートは、たった1cmの厚さのサンドイッチコンポジットでつくられています。このコンポジットは、わずか0.5mmの薄い「テペックス」カバー層とポリプロピレンのハニカムコアで成り立っています。 Photo: skywalk

ハーネスをコントロールするために、パイロットは体重の移動を行いながら緊張を保たなければなりません。この操作をするために、パイロットはリクライニングハーネスのプレートに足を乗せて体を支えます。例えば、急勾配の岩壁の前で急旋回するような極限の状況下では、そのプレートに非常に大きな力がかかります。これは事故を回避するために車のブレーキぺダルを思い切り踏むことと同等なのです。
ボンドラミネーツ社のハリー・ディットマーは次のように述べています。「このプレートは、そのような大きな力に十分対応できるのです。 このプレートのようなサンドイッチ構造の曲げ剛性と曲げ強さは、カバー層やハニカムコアの厚さにもよりますが、スチールシートやアルミニウムシートのそれよりも高くなり得るのです。さらには、これらの金属材料より面積あたりの重量は低いのです」
「テペックス」の特長は、他のスポーツにおいても非常に求められています。例えば、ボンドラミネーツ社の軽量化構造技術は、靴、スノーボードのヘルメット、自転車ブレーキレバーなどにも使用されています。

重要な課題を解決する軽量化ソリューション

しかしながら、プラスチックの特長が提供するソリューション分野は、スポーツだけではありません。例えば、軽量素材は道路交通分野においても需要があることは一見して明らかです。現在、世界中で約10億台の車が走行しています。専門家は、この数字は2050年までに倍以上になると見ています。これはつまり、燃費、環境汚染、渋滞が増加の一途をたどることを意味しています。従って、車はもっと経済的で、もっと環境的に持続可能でなければなりません。これを実現する一つの方法は、車をより軽量にすることです。車は軽ければ軽いほど、燃料の消費を抑え、CO2の排出も低減します。

Bild_Body_Panel_englisch_bc3f6b7b58今日の軽量および高性能プラスチックは、非常に安定しており、自動車構造において重い金属に取って代わることができます。さらには、そういったプラスチックは、さびつかず、柔軟に形成可能なため、新しいデザインコンセプトの実現や他のコンポーネントや機能とのより良い統合ができるようになります。

 

 

多様な製品群

「テペックス」に加えて、ランクセスの製品群に、ポリアミド(PA)をベースとしたプラスチックコンパウンド「デュレタン」とポリブチレンテレフタレート(PBT) をベースとした工業用プラスチック「ポカン」があります。
「デュレタン」製品群は、自動車業界において、エアインテーク、ドアハンドル、レセプタクルなど様々な製品に使用されています。プラスチックは、一定の構造部品の重量を金属比で最大50%削減するため、燃費の向上に貢献します。
一例を挙げると、シュコダ・オクタビアのフロントエンドモジュールキャリアは、ランクセスのガラス繊維で強化されたポリアミド「デュレタン」でつくられています。注目すべきところは、市販されている数少ない、プラスチックのみで製造されたフロントエンドモジュールキャリアと同様、ランクセスの「デュレタン」でつくられた同部品のトップクロスメンバーは、シートメタルによる補強を一切含みません。そのため、フロントエンドモジュールキャリアの重量は他の方法と比べて1.2Kg軽量可能となります。

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この構造部品の特長は、市販されている数少ない、プラスチックのみで製造されたフロントエンドキャリアと同様に、フェンダーキャリアまで延びるトップクロスメンバーにも一切シートメタルによる補強は含んでいません。

絶縁特性、耐熱性、優れた剛性を備える「ポカン」は、電気・電子業界において主要な素材です。例えば、最新の省エネ型の電球のネジ込み部分は、ガラス繊維で強化された「ポカン」が使用されています。その他の用途として、衣類の一部、電子コンポーネント向けのプラグやカバーなどがあります。ランクセスは、電子市場向けに難燃性の「ポカン」と「デュレタン」を開発しています。
これらは、安全性に関する厳しい規制要件に確実に準拠しなければなりません。特に、ハロゲンフリー難燃性の使用は、今後大きな役割を果たすことでしょう。

「テペックス」でつくられた熱可塑性繊維コンポジット素材は、グライダーで使用されるだけでなく、自動車構造などにおいても使用されています。「テペックス」は低密度で、ガラス、炭素、アラミド繊維などの連続繊維で強化されているため、軽量構造向けに非常に適しています。

 

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シートシェルは、優れた剛性と卓越した強度を備えています。これによって、衝突が起こった場合も、シートシェルが多大な衝撃を吸収することができるため、非常に高いレベルの安全性を備えることになります。従来のコンポーネントソリューションより約800グラム軽量化されています。

例えば、熱可塑性コンポジットでつくられたエアバッグカバーは、剛性と強度に影響を与えることなく、一層薄肉化を実現することができます。これらのカバーは、約30%軽量化が可能です。スチール構造と比べて、「テペックス」製の樹脂インサートを使用する場合、車のシートシェルの重量を大幅に低減することができます。例えば、オペル社のアストラOPCのシートシェルは、ハイブリッド(コンポジットシート+樹脂インサート複合)構造で製造され、連続ガラス繊維で強化された熱可塑性コンポジットシート「テペックス」が使用されています。

 

 

 

 

 

ガラス繊維は強度をもたらす

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天然鉱物繊維フィラーと比べて、ランクセスの粉砕された短繊維ガラスは、長さのばらつきが小さく、直径が揃っていることが特長です。

ガラス繊維は、プラスチックの機械特性を向上します。ガラス繊維で強化された熱可塑性プラスチックは、非常に強靭で剛性を備え、さらには高い耐衝撃性があります。つまり、これらは衝撃や打撃が加わった場合も破損することなく吸収することができるのです。これらの素材は、低比重、加工の容易性、オーダーメード特性に加えて、多様な用途があります。ランクセスは、自社でガラス繊維をつくる数少ないプラスチックメーカーの1つです。