現在でも、ジェンダーの平等が完全に実現されている訳ではありません。職場においては、男性より能力を証明する必要があると感じたり、同じ仕事をしているのに収入がはるかに低かったりということも少なくありません。
今年の国際女性デーのモットーは、“世代平等:女性の権利を実現します”です。#fairsorgen #fairgüte #fairShare
ランクセスは、男性と女性ができる限り同じ条件で働くことのできる、公平な職場環境の実現に向け、努力を続けています。この5年間で、ランクセス・グループの経営幹部や中間管理職に占める女性の割合をおよそ20~30%にまで増やしました。

「この数年で多くの成果をあげてきましたが、今後も有効な様々なシステムに対し、採用の可能性を見出していきたいと思っています」
ステファニー・コスマン(労使関係担当取締役)
世界女性デーに際し、ランクセスで活躍する5人の女性をご紹介しましょう。
ランクセスは大変な時期をサポートしてくれました。
エリアヌ・シビエロ・デ・フレイタス
ランクセスブラジルCEO
ブラジル – サンパウロ
「私はランクセスにおいても前職でも、ジェンダー差別を受けたことはありません。だからと言って、ブラジルにジェンダー差別がないという訳ではありません。20年前に、私は別のグローバル企業で法務部の管理職に応募しました。すべての試験に合格し、いよいよ地域マネジャーとの面接となりました。面接は順調に進んでいましたが、最後に彼はこう言ったのです。あなたは女性で、若い。それに結婚されたばかりですよね。このポジションは、妊娠する心配がなくて女性よりも生産性の高い男性の方が良いと思うんですよね、と。こうして私は採用されませんでした。管理職レベルがこういう考え方であるという事は、その企業がどんな職場環境なのか容易に想像できますよね」

「私はランクセスで勤務する19年間で、2度の困難な状況に直面し、会社からのサポートに助けられました。ランクセスの役員レベルの方々も、回復のために必要な時間を費やすよう勧めてくれました。そのサポートが私を前向きな気持ちにさせてくれました。早く復帰して信頼を取り戻し、期待に応えたいと思いました。
養子のための育児休暇に対しても、支援を受けることができました。パートタイム(時短勤務)を考えていませんでした。私は週末を自由に保ち、夕方には夕食のために家にいるようにしています。
私の趣味は、家族と一緒にいることです。これは私の身心のバランスにとって大変重要なことなのです。私はすべての家事、子供との約束、その他すべてを夫と共有しています。また、出張中は両親からの協力を得て、家事を手伝ってもらっています。私は若い女性たちに助言します - 自分を信じ、学び、献身し、好奇心を持ち、チームを大切にする。そして、家事や家族のことは一人で抱え込まず、協力を得るようにしましょう。常に最善を尽くし、人々との係わりを楽しみ、あなたが共感できる価値観を持つ企業のために働く。これがやりがいと成功を実現するための鍵です。」

パートタイム(時短勤務)の管理職がいても、普通のことなのです
キャサリン・クライン
液体高純化テクノロジーズビジネスユニット、戦略部ヴァイスプレジデント
ドイツ – ケルン
「注目されるべきは、チームと一緒に手がけているサービスです。管理職である私がパートタイムで働いていることは、普通の事として受け入れられています。
以前は物質保護剤ビジネスユニットのストラテジストとして、今度の新しい仕事では液体高純化テクノロジーズビジネスユニットの責任者として、上司はパートタイムでも管理職に就くことを、いつも応援してくれています。」
「1年間の育児休暇を終えて復帰したとき、私はパートタイムで働きたいとはっきり伝えましたが、キャリアパスについても諦めていませんでした。私は働く意欲があり、参加したいのです。周囲のすべての人に、こうした想いをきちんと伝えることが重要です。
2018年に、私は再び育児休暇に入りました。以前に米国の化学薬品会社ケマーズ社の “衛生・消毒用特殊製品” 事業買収を進めた際には、パートタイムでも管理職がしっかりと務まるのだと証明することができました。私は毎年11月に発行されるCapitalという雑誌で、成功している40歳以下のビジネスパーソンベスト40に選ばれました。それは本当に嬉しかったです」
仕事と家庭のバランスを取ることは、時として非常に難しいものです
ネーレ・デ・スメット
アドバンスト工業化学品ビジネスユニット、オペレーションマネジャー
米国 – ブッシー・パーク
「私がオペレーション・マネジャーというポジションに就いたとき、ジェンダー差別との闘いはありませんでした。まだランクセスの管理職に女性が少なかったころ、女性管理職は反発と注目を集めていました。女性はキャリアを積むために、より多くの努力が必要になることは事実です。常に、自分の能力を証明しなければなりません。私は、女性の方が、感情豊かに部下と接する人が多いように思います。自分の言葉を、相手がきちんと受け止めているのか、またどのように受け取られているのか、女性はいつも細心の注意を払っています。また、整理整頓への意識も女性の方が高いので、つい口うるさくなりますよね」

「家庭と仕事のバランスを見つけるのが難しいこともあります。子供には母親が必要な時期、重要な会議への出席のために出張で家を空けることが困難なこともあります。
家族で過ごす休日は、子供たちの世話をしたり、一緒に遊んだりと、特に大切な時間です。家族ができると、駐在員としてのキャリアを始めるのも難易度が上がります。夫は仕事を辞めなければならなかったので、今は就労許可を得るために努力しています。現在、彼が家事をしてくれているので、私はとても助かっています。」

クォータ制(男女割合を一定比率で割り当てる制度)には反対です。女性には必要ありません。
ノラ・ホフマン
液体高純化テクノロジーズ・ビジネスユニット、オペレーションマネジャー
ドイツ – ビターフェルド
「大学を卒業してすぐに、ランクセスに入社しました。それは、とても大きな変化をもたらしました。特に、何十年もの間同じ上司の下で働いてきた社員にとっても、大きな変化だったのではないでしょうか。化学業界での実務経験がない若い女性新入社員が、突然やってきたのです。
卒業後、すぐに実務に就いたことは、私にとって正しい選択でした。この4年半で、非常にたくさんのことを学んできましたし、ランクセスからのサポートにとても感謝しています。私のような製造に近い管理職は、プライベートが犠牲になりがちです。
「ランクセスはこうした問題の解決策に取り組み、さまざまな勤務モデルを用意して従業員を支援しています。ランクセスでジェンダー差別を感じたことはありません。ビターフェルドに勤務する女性の割合が高いことがその理由の一つとなっているのは間違いありません。イオン交換樹脂事業部のおよそ30%が女性社員です。昔から新連邦州の女性たちは、技術職に就くことが少なくありませんでした。こうした歴史が、現在にも、良い結果をもたらしています。
個人的には、「女性の問題」を理由に困難に挑戦することを諦めたことはありません。私は、女性差別のないロールモデルの中で育ちました。母も、祖母も、姉も、皆とても強い女性で、よく働きながら家庭を持ちました。ちなみに姉は土木技師です。化学薬品業界よりもはるかに男性中心の業界です。
クォータ制という考え方は間違っていると思います。私にとって、性別よりはるかに重要なのは従業員の資質であり、チームは協力して良い結果を出さなければなりません。ですから、採用の際に特に女性を特別扱いすることはありません。しかし、ドイツ国内で従来男性優位であった仕事においては、女性の資格を前進させるための努力がまだまだ必要であることは明らかです。こうした動きは家庭での、そして学校での教育から始まると思っています」
上司がキャリア計画で力になってくれました。
ヴェラ・ホルスタイン
無機顔料ビジネスユニット、オペレーションマネジャー
ドイツ – クレフェルト・ユルディンゲン
「女性がしっかりとしたサポートを受けられる企業に就職できたことは、とても幸運な事です。2012年、博士号を持つ化学者として、クレフェルトに拠点を構えるランクセスの研究部門に入社しました。私はすぐに変化を求めるようになりました。私の目標はマネジャーになることでした。上司は、この目標の実現に向けてサポートしてくれました。しかし、研究職出身者が、オペレーションマネジャーになることは容易ではありません。
私たちは計画を練り、新しい職務に向けて準備しました。2014年に息子を出産し、その後6ヵ月の育児休暇から復帰すると、2015年にはPSP(Precipitation and Specialties)カンパニーのプロダクション・マネジャーに昇進しました。3年後の2017年に娘を出産した後、2018年7月にPSP事業部の最初のマネジャー職に就きました。私は子供が生まれる度に昇進したとも言えます」

「仕事と家庭のバランスを取ることは簡単ではありませんが、そんなときでも仕事を楽しんでいます。マネジャーとして、部下が連絡しやすい状況を作る必要があるため、常に在宅で勤務できる訳でありません。このポジションを引き受ける決め手となったのは、出張や社外アポイントの外出が少なかったことです。そのため、日々の仕事が予測しやすくなり、毎日の家庭の生活を整えることが容易になりました。
非常に男性優位の業界という印象ではありますが、ジェンダー差別を受けたことは一度もありません。年齢が若いからという理由でも差別を受けたことはありません。ですが、限界があったことも事実です。なにせ、30年も勤務してきた部下がいるのです。ですから、当初は何についてもしっかりと観察し、何を変えていくことができるのか、何を改善できるのかを決定するのは、しばらく経ってからにしました。こうした変革を行うとき、私はコミュニケーションを大切にしてきました。そして、これまで、とても順調にやっています」