Bayferrox Website
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どこまでも続くフィンランドの森のドライブで、あなたは素敵な驚きを体験することでしょう。ここには、ヨーロッパ最北のジン・ウィスキー蒸留所があります。外からは大きな古いまき小屋のようにみえますが、実は多くの人がこれに驚かされるのです。年季の入った焼き板で覆われているように見える外壁は、実は21世紀のデザインされたばかりのコンクリート建築です。この漆黒の鉄筋コンクリートの着色には、ランクセスの特別な顔料が使用されています。
近年、ライ麦を使ったウィスキーやスピリットで知られる蒸留所キュロ・ディスティラリー社の建物内では、大きな木樽の中で上質なジンとウィスキーの熟成が進んでいます。これは製造工程の重要な部分であり、世界中のファンに愛される独特の風味は、この方法でしか生み出せません。この蒸留所は突拍子もないアイデアから始まりました。友人だった5人のフィンランド人が水上サウナを楽しんでいる時に蒸留所設立というアイデアを思いつきました。そして、老朽化した乳製品用施設を使用して、2014年にキュロ・ディスティラリー社を創業しました。
蒸留所はすぐに国際的な賞を受賞し、有名になるにつれ需要も増えました。キュロ・ディスティラリー社の生産能力はあっという間に限界に達し、古い乳製品工場での生産を拡張することにしました。
建設案のコンペ中に、昔ながらの木造の小屋のように見える新たな建物を建てるというアイデアが生まれました。しかし、計画していた5つの倉庫を木造建築にすることは不可能でした。ウィスキーは可燃性の液体であるがゆえに、樽貯蔵施設に対する厳しい防火安全規制があります。そのため、貯蔵施設は5つのセクションに分けられ、それぞれの温度と湿度が正確にコントロールされています。空気中に揮散するエタノールの量も綿密に監視することで、爆発のリスクを未然に防止します。この条件下で、最も適した資材はコンクリートですが、木造の古屋のイメージとはかけ離れてしまいますし、周りの風景にもまったくなじみません。さて、彼らはこの課題をどうように解決したのでしょうか?
ヘルシンキを拠点にする建築事務所アバント・アーキテクト社は、この問題をうまく解決するユニークなデザインを思いつきました。それが鉄筋コンクリートでできた頑丈な倉庫を、素朴な厚板造りに見せることでした。ランクセスの技術者によるサポートで、独特なファサードが生まれました。ランクセスはコンクリートの着色においても実績のある専門家集団です。酸化鉄顔料「バイフェロックス®(Bayferrox®)」を使うと、コンクリート全体を隅々まで着色できるので、補修の塗装も必要ありません。
ランクセスの専門家はカスタマイズのソリューションも提案しました。コンクリートが完成時にイメージ通りの色になるかどうかは、さまざまな要因に左右されます。顔料の質や添加割合だけでなく、コンクリートの配合も影響します。そのため、高い経験値を駆使した、コンクリート業者との緊密な連携が必要となります。色のスペクトルは黄から、赤、緑、茶、黒まであり、100種類以上の異なるカラーグラデーションを表現することが可能です。ランクセスの無機顔料は耐久性と耐候性に優れているので、着色したコンクリートは、時間が経ってもほとんど色褪せしません。
ランクセスの専門家による開発
このフィンランドの建物のデザインにおいて想定されていた漆黒のコンクリートは、非常に独特な色で、専門家たちにとっても究極の挑戦でした。ここでは、耐久性の高い漆黒の酸化鉄顔料バイフェロックス®(Bayferrox®)360が使用されました。
「当初の計画では、着色コンクリートでコンクリート部材を作り、その後建設現場で再度濃い黒の塗装をかける予定でした。キャスティング試作を何度か行った後、濃黒色のランクセス顔料『バイフェロックス®(Bayferrox®)360』をセメントに対して5パーセントの重量で添加することで、追加の塗装は不要となったのです」
オリバー・フレッシェントレーガー
無機顔料ビジネスユニット、マーケットセグメントマネージャー
木材のように見える興味深い外観は、コンクリートを打つプロセスにひと手間加えることによって実現しました。そのひと手間とは、解体された小屋の古い厚板をコンクリートブロックの型枠として使うことでした。その結果、一見本物のように見える最先端の「木造の小屋」がフィンランドの森に誕生しました。近年稀にみる傑作です。その素晴らしさは、フィンランドのコンクリート建築賞の審査員たちにも認められ、2019年末にそのイノベーティブなデザインから、建築家たちに賞が贈られました。
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