多様性と発展
現在、世界33カ国で働くランクセスの従業員の出身国は79カ国にも及びます。このため、ランクセスはさまざまな文化や働き方を取り入れるだけではなく、従業員同士の円滑なコミュニケーションのためのさまざなま機会を提供しています。母国を離れて働くことについて、ランクセスの従業員3名のコメントを紹介します。
「その光景はすぐにに私の心に刻まれました」と語るのはアドバンスト工業化学品ビジネスユニットでポリオールおよび酸化生成物ビジネスライン制御のリーダーを務めるフランシス・ジンです。彼女が住むケルンのアパートの窓からは、大聖堂へと続く道が見渡せるそうです。中国出身の彼女には、母国にも心に残る思い出の光景があるといいます。「上海の私の部屋からも、楊浦大橋を見ることができます」
ジンにとって、ケルンでの滞在は、ランクセス本社で働く機会を得られるだけではなく、異なる文化を深く学ぶ機会でもあります。オランダで学生生活を送った彼女にとって、ヨーロッパはまったくの新天地というわけではありません。

「幸いにも、カルチャーショックというものはありませんでした。それでももちろん、ドイツには中国とまったく異なる生活習慣があります」
フランシス・ジン
アドバンスト工業化学品ビジネスユニット ポリオールおよび酸化生成物ビジネスライン 制御部門リーダー
「幸いにも、カルチャーショックというものはありませんでした。それでももちろん、ドイツには中国とまったく異なる生活習慣があります」例えば、ドイツでは、同僚の誕生日を事前に祝ってはいけないということです。「最初のうちはうっかり口を滑らせていましたが、同僚が、それは不幸をもたらすと信じられているということを教えてくれました」とジンは話します。
さらに、ドイツ語での会話をよりスムーズにするため、ジンはランクセスが彼女のために用意したドイツ語の授業を受講しています。「仕事で英語を話すのは問題ありませんが、ユーモアを交えた会話など、微妙なニュアンスを理解するには、現地語の理解が不可欠です」と、ジンは確信を持って言います。
従業員のグローバルモビリティを確保する
ランクセスでモビリティ・マネジメントのリーダーを務めるアンドレア・ハーゲドルンは、「語学コースの提供は、当社が海外に長期間赴任する従業員に提供しているサービスのほんの一部です」と述べています。ランクセスは、従業員のビザや労働許可の取得をはじめ、適切な住居の確保についてもサポートを提供しています。ブラジルに長く住んでいたことのあるハーゲドルンは、「特にパートナーや子供と一緒に外国へ赴任する従業員には、多くのサポートが必要になります」と述べています。理想的には、半年間ほどの準備期間があることが望ましいですが、現実的には、もっと短期間での準備が必要となる場合も多くあります。
アンナ・ハーゲドルン
モビリティマネジメント責任者

文化的な橋渡し役として
マリアナ・ロドリゲスは、ライン川下流域で奮闘するブラジル人。サンパウロ出身の彼女は、クレフェルト- ユルディンゲン拠点で、無機顔料ビジネスユニットのEMEA地域向けカスタマーサービスチームのリーダーを務めています。

「私のチームでは、異なる10カ国から来た同僚が働いています。そのため、どのような仕事の進め方や働き方が正しいのか、意見が衝突することがよくあります」
マリアナ・ロドリゲス
無機顔料ビジネスユニット EMEA地域カスタマーサービスリーダー
彼女は自身の経験から、今ではそうした対立にうまく対応できるようになったと感じています。「ランクセスでは、正しい方法がいつも1つとは限らないと学びました」彼女は、プロセス指向の北欧人と情熱的な南欧人はお互いから多くのことを学ぶことができると確信しています。「あらゆる場面で、私たちは互いを理解することで、新たな、そして革新的な解決策を見出すことができています」と彼女はいいます。
夫、子供とともにデュッセルドルフに住むロドリゲスは、最初から周囲の人々が温かく迎え入れてくれたと感じています。ただ、いまだに慣れないのが、職場でのランチタイムの予定を事前に計画し、声を掛け合って約束をするという習慣なのだそうです。ロドリゲスはドイツ人の同僚たちの独特の習慣について次のように話し、微笑みます。「ブラジルの人たちは全く考えない事です。ブラジルでは、ランチに行くときは勝手に行くし、その時に時間が合う人がいれば一緒に行きます。ランチを計画して約束するというのは、仕事のアポイントを取るのと同じように感じてしまいます」
文化的な橋渡し役として
ハイパフォーマンスマテリアルビジネスユニットでグローバルテクニカルサービスのリーダーを務めるマルクス・シェーファーは、今では、ドイツと米国間に欠かせない「文化的橋渡し役」を担っています。シェーファーは8年もの間、米国のピッツバーグ拠点に勤務していました。シェーファーは、「最初はメンタリティの違いはそれほど大きくないだろうと思っていたが、次第に、ある程度違いがあることがわかってきた」といいます。シェーファーは渡米前に、ランクセスが提供する文化交流トレーニングを受講できてよかったと述べています。アメリカ人とドイツ人では、仕事中の人との係わり方に違いがあるとシェーファーは感じたようです。

「アメリカでは、職位や職責がとても重要視されています。そのため、同僚に手を差し伸べたり、アドバイスをしたりすることは、決して歓迎されません。逆に、威圧的で差し出がましいと思われることがあります」
マルクス・シェーファー
ハイパフォーマンスマテリアルズビジネスユニット グローバルテクニカルサービスリーダー
現在、ドイツに戻り、チームでの「文化的橋渡し役」となっているシェーファーは、こう話します。「ドイツ人の同僚がアメリカ人の同僚と仕事をしている中で、ちょっとした問題があると、私にアドバイスを求めてくることがあります」しかし、多くの場合、メール文面の意味の取り違えなどといった些細なことが原因で、簡単に解決できることがほとんどなのです。シェーファーは、多文化間の協調を成功させるには、地理的な距離に関わらず、できる限り個人間の関係を構築し、他者が大切にしていることを理解することが大事だと言います。
うっかりミスに気を付けて!
ドイツでは、かたい握手は能力の証しであり、信頼を築こうとする意思を示すものとされています。一方、中国では、かたい握手はあまり好まれません。ほかにも文化の違いはあるでしょうか?
米国
なぜアメリカ人はメールでいきなり本題に入るのでしょうか?挨拶や丁寧な言い回しもありません。でも、気にしないでください。彼らは別に機嫌が悪いわけではありません。ただ、プロジェクトに集中し、効率を重視しているだけなのです。ただし個人的なメールでは、ちょっとした世間話は不可欠です。
インド
あなたがディナーに招かれたら?絶対にOKしましょう!さもないと、失礼にあたります。ミーティングでは頻繁に質問し、答えを繰り返し言うようにしましょう。そうすることで、皆が意見を披露する機会ができます。
ブラジル メキシコ
ちょっとした世間話抜きに、ミーティングや会話を始めてはいけません!あなたの目の前にいる相手は、より良い関係を構築するために、あなたのことをよく知りたがっています。まず、あなた自身やあなたの家族のことを話してみましょう。
中国
仕事の議論をする際の最良の方法は、一緒に食事をすることです。食事の誘いはぜひとも受けるようにしましょう。ただし、空のお皿は、あなたが満腹ではないことを意味するので注意が必要です。ホストにそれ以上注文してほしくない場合は、お皿の上に少量の食べ残しを置いたままにしておきましょう。
ドイツ
古い言葉に聞こえるかもしれませんが、これが大切です。時間を厳守し、準備を万全に整えておきましょう。業務の連携においてお互いの知識や能力を認めることで信頼関係が構築されます。個人的な交流は、仕事の後にしましょう。